コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

甘いもの

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うちの店がある神楽坂上・矢来町は今でこそ注目されるエリアになりましたが、引っ越してきた7年前はただの住宅街。当時は周囲に気の利いたお店がまったくなく、甘いものが食べたくなったら坂下の繁華街まで足を延ばさなければいけませんでした。
でも今は、徒歩1分(駆け足30秒)の場所にACHOさんという名店があるため、すぐにおいしいプリンや焼菓子を手に入れることができます。うれしいね。

この間も、開店準備を終えた後に少しだけ時間があったので、ひとっ走りしてプリンを買ってきました。
とろりと濃厚なACHOさんのプリンは、カップのままで食べてももちろんおいしいけれど、脚付きの器にうつしたら、おいしさがさらに三割増し。こういうふうに目で見える形にすると、器の本分を再確認できるような気がします。まさに適材適所。「そうだよねー、こういうことなんだよねー」と得心できる感じかな。

ただ、この仕事を長くやっていると、こういうシンプルなこと(『初心』のようなもの)を忘れそうになる瞬間もあるんですよね。たまーに。
この業界って、往々にして「おしゃれな器作家の名前を知ってる王座決定戦」みたいなマウント取りが生じがちじゃない?そういう庶事から距離を置いて初心を保ち続けるのは、なかなか大変なことだと思うんですよね。今は、SNSが消費者の虚栄を煽るような事態も起こっているわけだし。
これまでも事あるごとに、「あなた自身が本当にいいと思うモノは何ですか?」と自分の心に問いかけてきたけれど、この商売を長くまじめにやっていくなら、この問いかけはずーっと続けていかなきゃいけないなあと自戒しております。はい。

話がひどく脱線してしまいました…。
ACHOさんに行くと、いろいろなプリン(どれもおいしいです)が並んでいるけれど、迷ったときは一番プレーンなマダガスカルバニラを選ぶ僕。この日もそうでした。これも、「初心忘るべからず」の一典型かな(笑)。
公私ともに、思考回路をシンプルに、感覚を極力クリアにしてゆきたいと思う今日この頃です。


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