コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

とらわれない

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こう見えてわりといい加減な人間なので、世の中のしきたりのようなものはなるべく忌避するタイプ。
常々、そういう形式ばったことから遠いところで生きたいと思っています。

とは言いつつ、僕が生息する日本の器の世界にはいろいろな決まり事があるもの。
けれど、普段の器使いでそこに縛られ過ぎると疲れちゃうので、配膳の大まかな位置や季節の最低限のお約束だけはゆるやかに守りつつ、あとは自己流で勝手に楽しむことにしています。

本来の用途ではないことに器を使い回すことも多く、たとえば、そば猪口なんかは愛用していて、事あるごとに引っぱり出して使っています。
名称にとらわれるなら、そばの出汁専用のうつわと考えてしまいがちですが、形状に目を向ければ、程よいサイズでいろいろなことに使える万能の器。実際、昔の人は向付として使っていたということだし。
僕は、カフェオレをたっぷり飲むときには手付きのマグを使うけれど、いちばん飲む機会が多いブラックを注ぐときは主にそば猪口。勿論、それだけじゃなくて、デザートや甘味などいろいろな用途で使います。

器ビギナーの方にとって、しきたりに適わないことをするのって不安かもしれないけれど、器に自分を合わせるのではなく、器を自分に合わせることも大事かも。
外で懐石料理を食べるのとは異なり、日常では他人様の目を気にせず、ルールにとらわれない方がストレスフリーだもの。

それって、そば猪口だけじゃなくて、どんな形状の器についても当てはまることじゃないでしょうか。
本来の用途が設定されている器でも、肩の力を抜いて、自分流にカスタマイズしてしまった方が楽しいはずです。


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