コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

足を運ぶ

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超インドアな業務ばかりだと思われているであろう「器屋」というお仕事。

器を並べ、決まった時間にお店を開け、決まった時間に閉める。そういう毎日のルーティンに関しては確かにインドアで成されているわけです。
特に僕の場合、デザインワークなどを含めたほとんどの業務でアウトソーシングを行わず、すべての工程を自分の脳と手で完結させてしまうため、お店に引きこもりがち。でもそういう日々が続くと、お店の空気がどよーんと澱んでしまうような気がしてきます。

そんな兆しを感じ取ったら、旅するのが一番。
とは言っても、海外でリフレッシュ!とかではなく、モノづくりの現場に向かってみる。
そうすると、旅した場所の空気が店の中に流れ込み、風の道のようなものができて、新陳代謝が起こるように思えます。
理論的には何事も手が届く範囲で完結させることが可能であっても、それだけでは何かが足りないもの。前にも書いた通り、小ぢんまりと過不足ない状態で店を営んでゆきたいけれど、その背景としては、無駄なくらいにダイナミックな知の世界をまだまだ広げてゆきたいと思うのです。

今年はまだ出張旅行に出かけていないので、ひょっとしたらお店に澱が溜まってるんじゃなかろうか、という恐れを抱いていた僕。急ごしらえでスケジュールを組み、一昨日、定休日を利用して益子に小旅行してきました。
三人の作り手を訪ねて打ち合わせをしたり、未知の作品を見せてもらったり、いつもとは違うイレギュラーな空気の中で静かな刺激を受け、仄かに覇気が甦ってきたかな、という感じ。
心なしか、今日は店の中に風の道ができているような気がしています。


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