コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

呼ばれ方

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お客さまとは親しく話をさせていただくけれど、プライベートな部分にはみだりに踏み込まないようにしている僕。ゆえに、数回ご来店いただいているおなじみさんであってもお互いに名前を知らない場合も多いわけ。

お付き合いの長いお客さまは僕のことを「ハルヤマさん」と名前で呼ぶけれど、そうではない方の呼び方はそれぞれ。「ご主人」「店長さん」「ご店主」「オーナー」「あーた(←デヴィ夫人風ね)」などなど。
そして、きっとお客さまも困っているだろうなあと思うのは、僕がおじさんにしては皺が少なく、おにいさんにしては白髪が多いこと。「おにいさん」と呼んでくれる方が数名いらっしゃるのだけれど、本当は目の前にいる白髪男をどう呼ぶべきか悩んでいたりするのかもしれませんね。おじさんでもいいんだけど。
そんな中、ここ最近、新たな呼び名が登場。

「マスター」

そう呼ぶお客さまが来てくださるようになり、実はけっこう気に入っているのですよ。これ。
そりゃあね、最初はちょっと驚いたんですけどね。でも聞き慣れると、なかなかオツなもの。

最近はネットとSNSの発達もあり、知らない人に向けて「私はこういう者である」というアピールをしなければならないようになってきているけれど、僕は、自分の呼び名(+肩書も)なんてどうでもよかったりするんですよ。本当は。
便宜上、器屋店主というふうに名乗っているけれど、周りの方が思うように呼んでいただければそれで十分、と思っています。

そうは言ってみたものの、「社長さん」と呼ばれるのだけはちょっと嫌かな。
たまに飛び込みで営業マンがやってきて「社長様は…」とか言われると、それが常套句とはわかっていても、その、歯が浮くような響きに鳥肌が立ってしまうのですよ。おお、さぶいぼさぶいぼ

それに比べると、昭和の湿り気を持つ「マスター」という呼び名の、なんと地に足のついた印象であることか。
マスターでいいよ。ていうか、むしろマスターがいいかも。そのあたりは、みなさまどうぞご自由に。
そう呼ばれる時、僕の脳内ではシミケンのアノ歌がリピートしています。


コハルアン オフィシャルページ https://www.room-j.jp