コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

厨子甕

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先週行った益子参考館は、人間国宝濱田庄司の旧宅を利用した美術館・収蔵館。
広い敷地の中には、濱田本人の作品だけではなく、生前の濱田が蒐集した膨大な工藝コレクションが所狭しと並んでいます。

屋内だけではなく、大きな収蔵品屋外にも並べられているのですが、入口の長屋門をくぐって正面にある大谷石の蔵の前には、沖縄(というより琉球)の厨子甕が。

このずっしりとした家型のやきものは、骨壺。
なぜこんなに大きいかと言えば、戦前の琉球では洗骨という葬制が一般的で、全身のお骨を納めるのには大きな容量が必要だったから。

身分によって厨子甕の装飾には差があるはずなので、手の込んだ装飾が施された参考館の甕は、位階の高い人向けのものなのかな、という印象。
現代人から見れば、死者のためにこんなに手の込んだものを作るか?という感じもしますが、琉球王国時代の死生観、そして死者と生者のと関わりを探る上で重要な工藝品であるように思えます。

お骨を納める器なので、表現として適当ではないかもしれないけれど、ポップで愛らしい装飾に心惹かれました。


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