秩父の織物
関東には、銘仙と呼ばれる織物があり、その産地のひとつが埼玉県秩父市。
「秩父銘仙」という名前、着物好きの方であればご存じのことと思います。
僕は着物や織物についてはまったくの素人。
絵柄の入った反物については、「先に染めた糸で反物を織るか(←絣など)」「織った反物を後から染めるか(←友禅など)」という二拓しか思い浮かばなかったのですが、秩父銘仙はそのどちらでもない「ほぐし織」という技法を採用しています。
絣に近い技法ではあるのですが、経糸(たていと)を仮の緯糸(よこいと)で固定して反物状にしたものに捺染を施し、さらに仮の緯糸をほぐしながら本織りしてゆく独特な織り方。この技法を使えば、絣のような幾何学文様だけではなく、もっと大きな柄の具象紋様を表現することができます。絣のような雰囲気はそのままに、ポップで大胆な絵柄を楽しめるわけです。
このほぐし織技法は明治時代に開発され、銘仙の着物は大正から昭和にかけて一大ブームを巻き起こしました。
本来は絹織物である銘仙ですが、秩父の新啓織物では綿麻糸でハンカチを作っています。さらりとした手触りにやわらかな色合いの絵柄。新しい季節にふさわしく、うきうきするような心ときめく逸品です。
コハルアンでは、開催中の展示「ハルイロ」で初お目見えし、展示が終わったあとも定番商品として扱ってゆく予定です。
それらの画像は、店主のインスタグラムにてご紹介しています。
コハルアン オフィシャルページ https://www.room-j.jp
店主はるやまのインスタグラム https://www.instagram.com/utsuwa_koharuan/