コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

すみっコがいい

f:id:utsuwa-koharuan:20191224115434j:plain


この間、映画「すみっコぐらし」を観てきたことをSNSに投稿したのですが、それが周囲に静かな波紋を呼んでいて、ちょっと笑えます。
ほぼほぼ「意外!」というご意見。(笑)

そうでしょうそうでしょう。
白髪もそのままに、黒とグレーの服ばかり愛用している偏屈なスノッブおじさんが、よもや……という感じですよね。


この映画の登場人物(=すみっコ)たちはみんな、どこにいても隅っこにポジション取りしてしまう、ちょっと内気な面々。

僕自身「すみっコ」であるという自覚を持っている者だけれど、器屋なんていう変わった稼業をはじめてしまった以上、それを生業として成り立たせるためには、ときに悪目立ちも必要。
東京という大きな街で店の看板を掲げる限り、ある程度人目につく場所にしゃしゃり出ていかなきゃならないわけですが……これってけっこうな「自己矛盾」。
すみっコなのに、すみっコでいたら暮らしは成り立たない。これ、なかなか飲みくだしにくい現実だったりするんですよ。実のところ。

本音では、ほんとうに大事な人たちとともに静かでゆるやかに日々を送りたいだけなんですけどね。隅っこ的な場所、落ち着く場所で。
東京は、生まれた街であるとともに、現在も老父母とともに暮らす生活の場なので、人一倍愛着(郷土愛?執着?)はあるけれど、いつの日か出奔して「日本の隅っこ」や「世界の隅っこ」で商売をする日が来るのかも……などと思うことも最近はしばしば。遠くない将来、すみっコ精神を発動する瞬間がやって来たりするのかな、と。

それにしても、この映画のポスターの、「きみも、すみっコ?」っていうコピー、好きだな。
「はーい!」と手をあげたくなりました。


そして、取ってつけたようで何ですが……。
今年、お店は29日まで開けようと思っています。

どうぞよしなに。



映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ http://sumikkogurashi-movie.com/
コハルアン オフィシャルページ https://www.room-j.jp