コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

心の旅人

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いろいろな媒体で書いているコラムなどを読んでいただくとわかる通り、僕は数か月に一度は旅をして、店に並べる手仕事を探してきます。

先月19日に都道府県をまたいでの移動が解禁されたことで、理屈としては買付出張もOKになったわけですが(*注)、感染の中心地である東京を離れて地方出張に出かけることは、法令云々の問題ではなく、心持ちの問題としてやはり憚られるような気がして……。僕自身、今年はもとより出張なしで店を運営してゆこうと考えています。
大きな会社であればたぶん、出張についての指針がきちんとあって、社員はそれに添って安全に行動できるのかもしれないけれど、個人商店の場合、出張をどうするかは店主の考えひとつ。ただ、だからこそ、僕のようなポジションの人間(←はぐれもののチンピラ食器屋です)は、このコロナ禍ではなるべく慎重に行動するべきなのかな、と。訪問先で自分が感染を拡げてしまう可能性も否定できないわけですから。
正直いうと、出張に出られない状況って、店を運営する身からすれば手足を縛られているようなもの。ほんとうにつらいんですよ。でもいまは、自分の店の運営のことだけ考えて買付出張を強行するより、この状況で(出張せずに)できることを考えてゆくのが先決かな、と。思い起こせば、感染拡大を避けるために二か月も実店舗を閉めたけれど、その間はオンラインショップ運営にスイッチして業務を続けていたわけですからね。これまでの姿勢を頑なに死守するよりは、いつものやり方を時宜にかなったやり方に変える柔軟さこそが大事なのだと思います。
ここしばらくは、これまで育んできたご縁を頼り、ステイホーム的にリモート買付のような形で品物を選びつつ、半年先・一年先・十年先の店の姿を頭の中に描いてゆきたいと思っています。

ただ、旅はせずとも想像の翼を拡げ、旅しているときの昂揚感・好奇心についてはしっかりと胸の中にとどめておきたいもの。
僕と同じく旅に出られないみなさんに、店内で日本各地を旅しているかのようなウキウキ感を楽しんでもらえるようにがんばらなくては……などと考えております。


*注 : この記事の下書きを書いた後(7/4)、都知事からようやく他県への移動を控えてほしいという発言が。「やっぱりねー」「そりゃそうですよねー」……っていう感じ。この状況では、地方の人も、東京からの来訪者には相当警戒感を抱くよね、たぶん。


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