コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

京都まで

今年最後の出張は、今月訪れた京都。 日帰りだったので、自由時間は少なかったのですが、それでもいろいろ寄り道をしてきました。ちゃっかりと。はじめてのお付き合いになる小林さんご夫妻のガラス工房に向かう道すがら、木屋町で白みそ仕立ての汁がメインの…

奇しき景色

前回、有田の陶山神社の話 でちょっとだけ触れたのが、陶祖・李参平。李が陶祖と呼ばれる所以は、陶工の長として優れていたことに加え、磁器制作を産業として成り立たせるために必要な陶石の採掘場を町内の泉山で発見したから。 それから約400年。いまはここ…

陶山神社

日本の磁器発祥の地と言われる有田は、百貨店に勤めていた時代(←大昔ね)からちょくちょくお邪魔している町。 ただ、これまでの出張ではスケジュールを盛りすぎて、窯元や作家の工房を廻ってへとへとになって帰ってくるだけでした。 そんなわけで、有田では…

神と仏と

9月の北陸出張では、九谷焼の川合孝知さんを訪ねる前に、近くの那谷寺(なたでら=石川県小松市)を参拝。日本史の教科書に書かれている通り、このあたりは戦国時代に一向宗が一大勢力を誇った地ですが、もっと時代を遡ってみれば、土俗的な山岳信仰=白山信…

三国にて

北陸を旅したのは、9月のこと。福井では、陶芸家・タナカマナブさんが工房を構える三国湊を訪問。 風情のある港町には、北前船が日本の物流の花形であった頃の痕跡が方々に残っていて、タナカさんがあちこち案内してくれました。そのひとつが旧森田銀行本店…

漆の森へ

今年も残すところ10日あまりになりましたが、心が急いてしまうだけで、すべてがカラカラ空回り。 振り返れば、ブログの更新がかなり滞ってしまっていたので、心を落ち着けるためにも、今日から、書き忘れていた今年後半の諸々を備忘録として残していこうと思…

銀色の花

陶芸、七宝、彫金 ――。ここ数年、明治の超絶技巧が注目されているけれど、これらのジャンルの中でも彫金というのは、独特な立ち位置にあると思います。 もともと刀剣の鍔など武家社会に因って立つ体制側の工藝として存在しながら、幕府瓦解の後、ヨーロッパ…