コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

雑記

九年

あの大きな地震から九年。 そして、あの原発事故から九年。 昨日は、いま公開されている映画「Fukushima 50」を見てきました。 事故が起こったとき、福島第一原発と東電本店と首相官邸との間でどんなやりとりが成され、どうやって事態が推移していったのかを…

春弥生

三月って、もともと慌ただしくて心がざわめく月ではあるけれど、今年はちょっと特別。考えてみたら、震災・原発事故もサリン事件も三月だったことを思い出します。 春はこれまで見えていなかったことが一気に顔を出す時期なのかもしれません。それが自然の現…

YANAGI NI KAZE

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。いつもの年だと、年末のブログのなかで、一年の反省をしてみたり、翌年の抱負を述べたりするのだけれど、昨年末はなんだかバタバタしていて、そこまでは手が回らず。 だらりと時の…

すみっコがいい

この間、映画「すみっコぐらし」を観てきたことをSNSに投稿したのですが、それが周囲に静かな波紋を呼んでいて、ちょっと笑えます。 ほぼほぼ「意外!」というご意見。(笑)そうでしょうそうでしょう。 白髪もそのままに、黒とグレーの服ばかり愛用している…

会津建物探訪

今週は、漆作家・村上修一さんに会うために、会津を旅してきました。仕事の成果については、来月12月に開催する展示をご覧いただくとして、ここでは会津で見た建物の画像を何枚か貼っておきたいと思います。 建築にくわしいわけでも知識が豊富なわけでもない…

やめたこと

バタバタと日々もがいているうちに、いつのまにやら齢五十になってしまったよ。おおこわ。 「五十而知天命(五十にして天命を知る)」なんていうけれど、聖人君子のように生きられるわけもなく。思い起こせば、「三十而立(三十にして立つ)」くらいまではま…

金澤の思ひ出

ひとつの場所を短期間で複数回旅することはめったにないのだけれど、8月と9月は、立て続けに金沢へ。 一回目(8月下旬)は仕事、二回目(9月上旬)はプライベートで。私用だった二回目の旅では、一回目に時間がなくて行けなかった場所に行ってきました。リベ…

書くお仕事

文章を書くことは、前から嫌いじゃなかったのですが、ここ最近、WEB媒体で文章を書く機会が増えています。二年以上前、「暮らしとおしゃれの編集室」で、朝食にまつわる四回完結の連載コラムの依頼を請けたのがはじまり。 次が、現在進行形の「チルチンびと…

引き際の話

あと数か月で fifty years old になる僕ですが、時の流れの速さというのは本当にすさまじいなあ、と感じる今日この頃。実は、恵比寿に勤めていた時代から、20年近くも通い続けた渋谷のバーが先月末で閉店してしまい、現在、なんというか、心にぽっかりと穴が…

平成の思い出

2000年(ミレニアルってやつ?)を挟んだ10年間、僕が勤めていたのが、恵比寿ガーデンプレイスの中にある三越。 20世紀中は食品のフロアを担当、21世紀になってからは生活用品のフロアを担当。当時、恵比寿ガーデンプレイス(’95年開業)は、20世紀最後の大…

消費される覚悟

新宿地下道の壁面を大きく飾っていたこのポスター、すごーく秀逸。 時代の寵児と言ってもいいマツコ・デラックスさんの個性をよく活かしていますよね。マツコさんのことはメジャーになる前から知っていて、その言動(+文章)を密かに楽しんでいたのだけれど…

日本の美邸

現在『コハル・ノート』という連載コラムを持っているサイト「チルチンびと広場」。 こちらには、「日本の美邸 Japan Quality」という別冊的姉妹サイトがあります。実際にご覧いただくとわかるのですが、各コンテンツとも日本語のテキストに付随して英訳を掲…

参考館まで

同じ仕事を長く続けていると、こなれてくる部分もあるけれど、溜め込んだ情報や知識が頭の中でこんがらかってしまうことも多々あります。 スーパークレバーな人であれば、そういうことはまったくないのでしょうが、僕はただの凡人。始終こんがらかりっぱなし…

はしご癖

40代半ばあたりから目に見えて酒量が減っていたのだけれど、昨年の中頃からは、いよいよお酒を受け付けない体に。 これまで「NO SAKE, NO LIFE」な人間だったので、はじめは「こりゃあまいったなあ」と困惑したものの、最近になって「これはこれでいいかもね…

オオカミ

正月三日には、秩父をぐるり。 景勝地として有名な長瀞では、宝登山(ほどさん)という小高い山に鎮座する宝登山神社に立ち寄りました。ヤマトタケルの地方平定にまつわる説話は各地に伝わっているけれど、この神社のご由緒がまさにそれ。 宝登山上で神を祀…

あらたま

新しい年を迎えました。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は店の名前を替えたこともあり、肩に力が入り過ぎていたというかなんというか、ペースがつかみきれない状態のままで一年を終えてしまった感じ。 「こうありたい」という気持ちばかりが先…

京都まで

今年最後の出張は、今月訪れた京都。 日帰りだったので、自由時間は少なかったのですが、それでもいろいろ寄り道をしてきました。ちゃっかりと。はじめてのお付き合いになる小林さんご夫妻のガラス工房に向かう道すがら、木屋町で白みそ仕立ての汁がメインの…

神と仏と

9月の北陸出張では、九谷焼の川合孝知さんを訪ねる前に、近くの那谷寺(なたでら=石川県小松市)を参拝。日本史の教科書に書かれている通り、このあたりは戦国時代に一向宗が一大勢力を誇った地ですが、もっと時代を遡ってみれば、土俗的な山岳信仰=白山信…

言葉の海

NODA・MAP第22回公演「贋作 桜の森の満開の下」を観てきました。第18回の「MIWA」、第21回「足跡姫」も観ているので、今回で三回目。 前に見た二回と同じく、今回も脳の奥の方をずこずこ刺激されてきました。全編を貫く言葉遊びは、日本語の特徴(『母音』も…

猛暑の記録

まだもう少し残暑は続くだろうけれど、命の危険を伴うような猛暑はさすがにもう打ち止めでしょう。思えば、うだるような暑さが続いた今年の夏は、食生活が怠惰になり、自炊率が下がっていました。 自炊する際は、調理工程の少ないものばかり選んでしまい、普…

百代の過客

終戦の日と前後するこの時期に考えてしまうのが、「近代とはなんだったのか」ということ。 うちは特に父母が高齢なので、話を聞けるうちに、わが一族にとっての近代についても考えておきたい、と思うようになりました。父の一族は上州出身。国家公務員だった…

呼ばれ方

お客さまとは親しく話をさせていただくけれど、プライベートな部分にはみだりに踏み込まないようにしている僕。ゆえに、数回ご来店いただいているおなじみさんであってもお互いに名前を知らない場合も多いわけ。お付き合いの長いお客さまは僕のことを「ハル…

褒められると

現在、四半世紀に及ぶ旧友・画家のタチアキヒロさんの絵画展を開催中。 「器屋なのに、絵を?」と思われちゃうかもしれないけれど、年に一回はタチさんの素晴らしい作品を紹介する機会を持ちたいと考えていて、ここ数年、夏休み特別企画として展示を開催して…

GREY

フリーアナウンサーの近藤サトさんが白髪染めをやめた話をネット上で見かけ、なるほどねー、と思う。近藤さんは僕より年がひとつ上らしいけれど、この年頃って遅かれ早かれ、見た目の若々しさ(「あら、お若いわね」っていうやつ)を持続するか、それとも加…

コラム補足

WEBマガジン「チルチンびと広場」に掲載されている僕の連載コラム「コハル・ノート -モノと語る-」が昨日更新されました。小石原焼についてのおはなしの三回目。 福岡県東峰村にある小石原地区は、昨年の九州北部豪雨で大変な被害があった地域。損害を被っ…

ガマの穂

夏が近づくと、花屋で見かけるようになるガマの穂。 きりたんぽのようなユーモラスな形状に目を奪われがちだけれど、彼らが生い茂っていた情景に思いを馳せれば、その立ち姿も風流に見えてこようというもの。 いま、店で彼らを受け止めているのは、山下秀樹…

ほどよさ

すごーく抽象的な話でわかりにくいかもしれないけれど、器を選ぶとき、「ほどよい」っていったいどういう状態のことを指すんだろう?といつも考えてしまうのですよ。 で、それは「奇を衒わない」とか「中庸」とかいう言葉と同じくらいの温度を持つ状態のこと…

漱石山房

漱石の終の棲家の跡地にできた漱石山房記念館(昨年9月に開館)に行ってきました。うちの店から早稲田方向に歩いて15分。 あらら、うちの店って実は、明治の文豪が暮らした場所からこんな近いところにあったのね、とちょっと不思議な心持ち。館内には、漱石…

二回目のコラム

WEBマガジン「チルチンびと広場」で始まったコラム「コハル・ノート -モノと語る-」。その連載二回目が、先日公開されました。モノづくりを通して、各地に息づく文化などを僕の目を通して書き進める月イチ連載のコラムで、だいたい三ヶ月かけて、ひとつの…

みつき

早いもので、コハルアンと名乗るようになってから、まるっと三ヶ月。よく「店の名前を替えて調子はどぉ?」という質問を受けるのだけれど、すごく良いわけでもすごく悪いわけでもなく、質問者が期待するような劇的な事態は起こっていないんですよね。「最高…