コハルアン日乗

コハルアン店主の私的記録|器と工藝のこと|神楽坂のこと

ごますり

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以前、「神楽坂 暮らす。」時代のブログで、小石原の飛びかんなのすり鉢を扱っていることに触れましたが、今日は、その相棒であるすりこぎについての話。
これまでお店ですり鉢は扱っていたものの、すりこぎは扱ってきませんでした。というのも、心動くものが見つからなかったからです。プロダクト臭が強過ぎてすり鉢との相性があまり良くなかったり、雰囲気はよいけれど日本製ではなかったり、「帯に短し襷に長し」状態で。

そんななか、雑貨商・松野屋のSさんと話した折に、「国産で、(小石原のすり鉢に合いそうな)いい感じのすりこぎってありませんかねー」と尋ねてみたら、数か月後に連絡が。鹿児島に買い付けに行ったら、使い勝手の良さそうな山椒のすりこぎが見つかったから仕入れてきた、とのこと。
実際に見てみたら、小石原のすり鉢用に誂えたんじゃないかというくらい雰囲気もサイズもぴったり。その上、すごく握りやすかったので、そのまま頂戴しました。今は店の棚のすり鉢の横に仲良く並んでいます。

僕は、器探しに関してはそこそこプロだと思っているのですが、道具や荒物まではなかなか手が回らず。
こういう物って、全国津々浦々でアノニマス的に制作されていることが多いので、探すのが意外と難しいんですよ。特にすりこぎなんて、専門家が作るようなものではなく、木工や竹工の作り手が暇を見つけてついでに作る、という類のものですからね。
それにつけても、いいすりこぎが見つかってよかった。さすが松野屋さん。蛇の道は蛇、とはよく言ったものです。


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