白と黒と
産休などもあり、取り扱いをお休みしていた川島いずみさんに、久しぶりに飯碗を作ってもらいました。
東洋の古陶磁への憧憬が強い作り手で、ここ最近は宋胡録(スンコロク=タイのやきもの)をモチーフにした作品を作っていましたが、川島さんの定番と言えば、やはり白黒掻き落としの作品。今回依頼した飯碗も、このモノトーンのシリーズがメインです。
白黒掻き落としは中国の磁州窯で花開いた加飾技法で、素地に白化粧を掛け、その上にさらに黒泥を掛けて、表面の黒を掻き落としてゆくことで絵柄を作っていくもの。手間暇のかかる仕事ではあるけれど、川島さんはこの技法を好んで用いてきました。
今回の絵柄は、磁州窯華やかなりし頃の器に倣った牡丹唐草ですが、このモチーフの中には、世界帝国であった中国に集まった「多国籍の美意識」が宿っているような気がします。
そんな背景を持ちつつ、そこに新たに現代日本の作り手の造形感覚が入るとどうなるのか、という面白み。
日々の暮らしの中に、こんなクロスオーバーがあってもいいんじゃないか、と思います。
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