コハルアン日乗

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中嶋窯の深皿

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先日の秋田出張では、はじめてのお付き合いとなる中嶋窯・中嶋健一さんを訪問。

中嶋さんの器については、昨年、はじめて見たときにデジャヴ的な懐かしい感覚があり、「何だろう、この感覚は?」と不思議に思っていました。

そのあと、いろいろとやりとりがあり、実際にお店で扱うことが決まったわけですが、陶歴を知ってびっくり。
一年くらい前に秋田で独立した中嶋さんですが、その前は温泉津(島根県)の森山窯で修業していたとのこと。窯主である森山雅夫さんは、名工河井寛次郎氏の最後の内弟子として知られた方で、実は僕、前に山陰を旅した時にお会いしているのです。

思い起こせば、森山窯を訪問したのは7年前。
当時はお弟子がいない時期だったので、ご夫婦二人で制作にあたっていらっしゃいました。
結局、工房に並んでいる作品については分けていただくことができたのですが、殺到する注文をさばききれない状況が続いていたため、新たな器の制作についてはお願いすることができませんでした。
中嶋さんは2014年に森山さんに弟子入りしたそうなので、実際にお会いしているわけではありません。ただ、森山さんの教え(智慧と感性)はきちんと受け継がれていて、それが中嶋さんの器をはじめて見たときのデジャヴ感につながったのではないかと思います。


森山さんの器については事あるごとに思い出していたので、不思議な縁が繋がっていたんだなあ、と思わざるを得ません。

そもそも秋田との縁ができたのは、昨年、角館・白岩焼和兵衛窯の渡邊葵さんが店を訪れてくれたのがきっかけ。そのあと、それとは別件で秋田に移住したNowvillage・今村さんが、たまたま手に入れた中嶋さんの器の写真を見せてくれたことで、今回の出張につながってゆきました。
秋田についてはこれまで 祖母の生誕地 だという認識しかなく、未踏の地だったのに、不思議な感じ。
いろいろと注意深く日々のできごとを追っていくと、それ単体では何でもないようなことが、後から見るとひとつの川のようにつながっていることがわかり、「こういうことであったのか」と膝を打つことがあります。


今回、中嶋窯では、常設用の器をいろいろと発注。
夏前には届く予定ですが、工房に並べてあった器の中で素敵なものを見つけたので、フライング気味で少しだけ分けてもらってきました。

呉須釉の深皿二種。
この釉色は森山さんが得意としている色。そして、お弟子としてその薫陶を受けた中嶋さんも、同じく制作しています。透明過ぎないやさしい青が印象的で、日々の食卓の中にすっと溶け込む柔軟性を持った器です。
オンラインショップにも掲載しました。


中嶋窯 呉須釉七寸深皿 径21.8㎝×高さ3.5㎝ / ¥4536
中嶋窯 呉須釉六寸深皿 径18.7㎝×高さ2.8㎝ / ¥3456


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